雀のしっぽ。

ひっそり生きている

落され物

 

私は昔からどうにも物を失くす子供だった。

 

昨日買ったえんぴつを失くした

今日配られた学級だよりも失くした

お気に入りの赤い上着も失くした

帰り道で遊んでいるうちにランドセルも失くしたし、履いて行った靴も失くした。

 

通信簿には「忘れ物、落し物をなくしましょう」なんていつも書かれていた。

 

あんなに叱られたのに、大人になっても私の落し物の癖は治らなくて

今日もまた色んなものを落として歩く。

 

居場所とか存在意義とか私を大切にしてくれる人達とか。

 

そうして、いつも失くしてから

手元になくなって、絶対に手の届かない私の知らない所へ行ってから

いつも いつも 後悔する。

 

失って死ぬほど後悔するのも、それがとても間抜けなことも

全部知っているのに 私はまた私の幸せの手を離す。

そして落とした幸せを見ないふりをして、忘れたふりをして

時折 思い出したように忘れ物リストを開いて

とても 泣く。

 

この間は、落としてきた大きなものを思い出して

懐かしんで後悔して悲しんで哀しんで愛しんで

それでね また今回も私は同じことをしそうだから

今度は、今度こそはちゃんと拾いに行って

そうしてもう失くさないように、ちゃんと掴んでいなきゃなぁって思ってた所なんだ。

 

ねえ、こんな私でもなんとか生きていけるかな。

間違って傷付けて失くして後悔してばかりだけど

また歩いていけるかな。

 

遠く離れた知らない場所で、違う世界の同じくらいの次元には居られるかな。