雀のしっぽ。

ひっそり生きている

夢のない話

 

この家から出ることしか考えていなかった

 

親と縁を切ることしか考えていなかった

 

望みはいつもここから居なくなることだったし

私のここまでの10年はそのためだけにあった

 

ふと立ち止まって

私はここから出て、それからどうしたいのか考えた時

よく分からなくなってしまった

 

親に決められたものじゃなく自分が好きな仕事をするとか

文句を言われずに好きな友達と会って好きな人と生きるとか

親の過干渉が妨げになって出来なかったことをするとか

 

なんかそういうこと

 

子供の頃は簡単だった

着色料の入った駄菓子を食べてみたいとか

友達がやってるゲームを一緒にやりたいとか

NHK以外のテレビが見たいとか

 

歳を重ねてやっとその変のものはどうにかなってしまって

叶わなかった物はもう取り戻せない物で

あと残っているのは「怒鳴り声に怯えて、機嫌を取りながら生活したくない」くらいで

 

その後

 

そうして自分がどうなりたいとか、どうしたいとか、どうやって歳をとりたいとか

色んなものを犠牲にしてきた気がするけど

私は自分の未来への希望的観測をどこかに置いてきてしまった気がする

 

好きだった人が好きじゃなくなって

そこにいる人がいなくなる夢を見て

「さよなら」って言われることを恐怖して

良いものも 悪いものも 全部

手元にある花束を

「どうせいつか腐ってしまうから」って

ひとつひとつ解いて捨てて

 

そういう10年間でした。

次の10年は来るのか。