雀のしっぽ。

ひっそり生きている

自分以外の全てが幸せな世界




ひどく虚ろな世界に羽根を下ろした

刃だらけの地面を歩いて
悪意だらけの空気を吸って
飛び方も忘れてしまったようだ


抱え込んだ記憶の在り処を辿るのは
明日の涙を拭うことになるのかな
鍵を掛けた引き出しの奥を掻き回すのは
君の荷物をひとつ降ろすことになるのかな

何度も何度も隠した感情を
簡単な優しい言葉で開かせて
そうしてまたあの人たちは
片付けないままに居なくなってしまうから
また奥底に仕舞った鎖は錆びて絡まったまま

届かない声を枯らしたって
伝わらない涙を零したって
欲しかった手は遠くて
替わりじゃ代わりにならないことは分かってる

僕が知らなかった腐った時間を
出会えなかった頃の泣き虫の誰かを
ただひとつひとつ解いて並べるだけ

失った物は戻らない
本当に欲しかった物なんて何ひとつ手に入らない
それでも
いろんな所を欠如させたままの私達は
どこか足りないまんま生きて行かなきゃいけないんだよ

自分以外の全てが幸せな世界に生まれて
不適合者だから息をするのも困難で
自分を責めて、悲観して、諦めて、考えることすら辞めて
万華鏡の中に閉じ込められたみたいに迷って動けなくて
ただひたすらに泣いて

その嗚咽すら届かなくて

もう2度と飛び立つための手段もなくて

それでも生きて行かなきゃいけないんだよ

それでも歩かなくちゃいけないんだよ

それでも